Sunday, August 7, 2011

映画館にあまり行かなくなった理由。

とにかく映画が好きで、ニューヨークにいたときには映画配給会社でインターンシップをし、映画祭と言えば迷いなくどこでも行っていた私が、シアトルに住むようになってからは映画館はとおーい存在になってしまいました。

まあ、家でも新しい新作映画がケーブルテレビを通して見れてしまうというのもあるけれど、映画館に行くっていうのは本来「映画を見に行く」以外にも、「映画館でゆったりと一人の時間を楽しむ」というかなり重要な目的があります。そして私の場合は「映画みたいから映画館に行く」よりも、「一人で静かにゆったりしたいから映画館に行く」ということが多いのが事実。


東京にいたときは、仕事を定時に終わらせた日に、一人でいそいそ映画館に行って(たまにアルコールとともに)暗闇の中で静かに映画見ることが、至上の楽しみだったのになあ。うう、懐かしいっ。


アメリカの映画館でも、同じことが出来ると思ってたのですが、それは違いました。こっちの映画館では、そういうゆったり一人時間を楽しむことが出来ないのです!(いや、出来るのかもしれないけど、少なくとも私はまだ出来てません。。)


多くのアメリカ人は常に自分の意見や感想を述べることが非常に多く、それを当然のごとく公共の場だろうが、場所や他人の視線を構わず発揮させてます。渡米当時は、このありとあらゆることに関して、いちいちはっきりとした自分の意見や好みを持っているアメリカ人ってすごいなあ、と思ってました。中和的意見が多い日本に長く住んできた私にとっては、この「あ、自分は別に何でもいいです」という態度と対極にあるアメリカ人の態度に驚いた。

でも生活も長くなってくると「誰も聞いてないのになんでいちいち話すの??」とちょっと鬱陶しく思うことも事実。。あれ?でもよく考えてみると、私の隣に座ってるこの旦那も同じことしてるじゃない??

例えばテレビを二人で見てるとき、ニュースで誰かが言ってることに賛成できないと(賛成しないことがほとんど)自分の意見をとうとうと述べはじめるし、ドラマにしても、コマーシャルにしても何かしら感想やつっこみ、意見を述べている。

そして、横に座ってる私はそのせいで、たまにテレビ音声が聞こえないこともあります(苦笑)。

「ねえねえ、ちょっとボリューム下げてよ。テレビじゃなくて、あなたのボリューム」と言うと、「それはちょっと難しいなあ」と言われました!え?つまり、意見感想を述べるっていうのは自分が話したいからというよりも、意志関係なく起こるリアクションみたいなものってこと??


すごいなアメリカの教育。個人主義、自己主張っていうのが意志関係ないところまですりこまれてるなんて!


でも、まさにこれが映画館を楽しめない理由なのです。数ヶ月前、楽しみにしてた映画を一人で見に行ったとき、まわりのみんながひたすら映画に対する意見交換やつっこみをしてるので、リラックスはおろか、映画にも集中できないまま私の映画館体験は終わってしまいました・・・。その上、ポップコーンが頭の上から降ってきたしね。Of course!


みんなぁ、映画館くらい静かにしようよー。



自己主張はいいこと!って日本にいたときは感じてたし、そう社会でも強調されるようになってきたけれど、アメリカに来てみるとこの極度な自己主張(特に公共の場での)はそーんなにいいことではないと実感した日でした。

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