Tuesday, April 17, 2012

春のシルクスカーフ

この季節になると、厚手のセーターを編む気にもなれず、小物をひたすら編みたくなります。

尊敬するElizabeth ZimmermannもKnitter's Almanacの中で、4月は小さい、持ち運びのできるもの(帽子、ミトンや靴下)を編むべきと言ってます。彼女が言うんだから、従っておいて間違いはありません。


そこで、最近編んだのが、小さなスカーフ。今回は贅沢にシルク&ウール混合のManos del UruguayのSilk Blendという糸を使いました。この糸はお気に入りのお店、Bad Woman Yarnで衝動的に買ってしまったもの。色はワイルドフラワー。




パターンは「ボウタイ」となっていて、両方同じ長さになってるのですが、あえて長さを変えてスカーフをきゅっと結んだように見えるように編みました。


ここのオーナーのおばあさんはいつもいろいろ作品を編んでいて、これもその中のサンプル商品として飾られてたものなのですが、無料パターンをくれるといわれたこともあって、まよわず購入。いく度に新しい作品が飾られてて、どれもとっても素敵なので、目的の毛糸とは違う毛糸を買って帰ってきてしまうこともしばしば。

「デザインのクラスは教えないんですか?できたら受けたいんですけど・・・」というと「そんなの、とてもとても・・・」という謙虚な答えが。でもクラス、作ってくれたらうれしいんだけどなあ。


そしてこの日は手編みソックスをはいて出かけました。


太陽の下でみるとなかなか派手ですが、サボと一緒にはくとちょっとかわいい気がします。

この日はMount VernonでHelen's needleworkというお店をみつけました。目立たなかったけどそとに「SOCK YARN」と書いてあったので飛び込んでみたところ、お店のドイツ人おばあちゃんと靴下編みについて30分くらい立ち話をしてしまいました。

そのおばあちゃん、店に入った私の靴下を見て鋭く「あなた、ソックニッターね」と。

それから延々と彼女の靴下編みの哲学や、ドイツでの編み方や糸の話などでだらだらとお店に居座ってしまいました。

靴下編みっていうのは、ほかの編み物にはない不思議なチカラがあるきがします。「ソックニッター?」「うん」というだけで、なんだか距離感がぎゅーんと縮まってしまうのです。

80代はかるく超えているドイツ人のおばあちゃんと、30代そこそこの日本人の私がdouble pointed needleについてやら、糸の種類について会った途端に盛り上がって話せるって、そうそうないことのような気がします。


おそるべし、靴下のチカラ。


こんにちは、春。

Thursday, April 5, 2012

靴下編みのあれこれ

なんと、もう4月です。とはいっても夜はまだ寒い!昨晩は夜遅く家に帰ったのですが、帽子がないと心もとない感じがしました。毛糸はまだまだ手放せません。うふふ、これは涼しい地域に住む特権ね。


さて、靴下編みをはじめると、また今までとは違った新しい毛糸の世界が広がります。

アメリカでは靴下編みはとっても人気なので、ソックヤーン(靴下用の毛糸)はどこの毛糸専門店でも扱っています。種類も多くて、普通にメリヤスで編むだけでフェアアイル風に仕上がる毛糸や、手染めの毛糸、ボーダーになるように段染めされてる毛糸など、とにかく魅力的!


セールで8ドルで買った100グラムの靴下用毛糸は
パープル系で段染めされています。
短めの靴下なら2ペア編めるかも。

ほとんどのソックヤーンはウール75%ナイロン25%くらいからできていて、洗濯機でも洗えるようになってます。ゲージは28~30sts/4インチ(10センチ)が主流。

編み方は長い輪針を2つ使って編んだり、マジックループという方法で編んだりする方法などがありますが、私は昔からの編み方、竹串のような細い5本針で一足ずつ編んでいく方法が好きです。編み針もアクリルやアルミ製のものよりも、木製か竹が好き。針先があたるときの音は、やっぱり自然の木や竹が一番心地よいです。

あと、ほかにも気づいたことは、靴下用の毛糸はドイツ製が多いことです。ドイツ製の毛糸は面白い段染めや模様が出るようになってる毛糸が多く、糸もスムーズでとっても編みやすいです。

最近編み終わった靴下もドイツ製の糸、Online Supersocke100のRainbow-colorです。


次々に出てくる色がどれもかわいくて、メリヤス編みをこんなに楽しめるとは思いませんでした。

しばらくはメリヤス編みの靴下あみを楽しもうと思います。もうすぐ地元の毛糸やさんでもセールが始まるので、そこで楽しいソックヤーンが手に入るといいな。

Monday, March 26, 2012

編み物用プロジェクトバッグ

編み物を始めたころは、ひとつのものを編み始め、それが終わると次のプロジェクトに入るという規則正しい編み方をしていました。

でもだんだん欲張りになってくると、気が多くなり、同時にいくつもの編み物プロジェクトを編み進めることになります。私の現在の進行中の作品は、靴下3足とラップカーディガン、そして指なし手袋。これではやっぱり仕分けするバッグが必要!

いままでは帰国したときに買った、無印のぺらぺらの小さな布トートバッグを使っていたのですが、せっかくかわいい生地があるんだから!と久しぶりにミシンを取り出しました。


うーん、、やってないと、忘れるものですね。ボビンの巻き方までうろ覚えになってましたが、なんとか二つのプロジェクトバッグを一晩で完成。


丸底になっているので、毛糸やらを入れるとすとんと立ってくれます。大きいほうは少しハリを出すために、フランネルをはさんで縫いました。

ゴムループをつけて、ボタンで留めます。
ふたをめくるとこんな感じ。


おっと、ラウルくんも入ってきました。
そして実際に使うときはこんな風にして使います。


お出かけのときは、この小さな靴下用バッグをいつものハンドバッグに入れて行きます。ちょっと見えてもかわいいでしょ?

ちなみにこのバッグは、1, 2, 3 Sew: Build Your Skills with 33 Simple Sewing Projectsの中に載っていたペンシルホルダーを大きめにして作ったものです。


このバッグを突然作りたくなったのは、靴下編みの楽しさを発見したから。小さくて、持ち運びがしやすくて、軽く、場所を取らないので、靴下はどこでも編める!旦那を車の中で待ってるとき、バスで移動中のとき、カフェでゆっくりしてるときなどなど・・・。

靴下編みは、編んで、そして実際に履いてみてこそその独自の充実感が味わえるものだと思います。だって、靴下用の毛糸は決して安くない。ワンペア作るときは、最低でも15ドルくらい。高いと40ドルくらいする毛糸だってあります。

既製品を買ったほうが安いし、まあまあ丈夫なのに、なぜ編むの?

私もずーっとそう思ってました。

だけど、実際に編んでみて履いたときの充実感と、だれでも靴下は履くっていう必要性がその魅力なのだと思います。好みがそんなに分かれないので、サイズさえ合えばギフトには最適。

いまは、サイズ12の旦那用にも編んでます。手編みの靴下は手直しが自分できるから、すぐ穴を開ける旦那にも、安心して履いてもらえそうです。


Wendyさんの本を読みながら靴下編み。
とくに大きめサイズの彼の靴下編みは
ちょっと時間がかかりそうです。


Friday, March 23, 2012

ピンクのショート丈カーディガン

もう春だっていうのに、まだまだ肌寒いせいか、相変わらずセーター熱が続いています。

カーディガンを編むと、おそらく多くの人が直面する問題。

それはぴったりのボタンを見つけるまでにとっても時間がかかり、編み終わりからボタン付けて仕上げるまでに半年から1年くらい時間がかかってしまうこと。Ravelryを見ると、半年前に編んでようやくボタンを見つけたのでアップロードしている人、多かったりします。

編んでいるうちから、次のプロジェクトを夢想しながら編むので、一通り仕上がってしまうと編んだセーターはとっくの過去のことになり、気持ちがほかのものに移ってしまったりするのよね。


なので、私は編みあがる前からボタン探しを始めることが多いです。そんなこともあり、ぴったりのボタンが仕上がりと同時くらいに見つかると非常にテンションがあがります。着れるまであと一歩!



このボタンは毛糸と同じPeace Fleeceの木製ボタン。手描きでポピーの花が描かれてます。たまたまバラードにあるTea Cozy Yarn Shopに行ったときにロシア製のボタンが売っていたので即買いをしてしまいました。







仕上がりは、よく言う「大人かわいい」というよりも単に「子供かわいい」的なセーターになりました。小さい女の子が着てたら可愛い感じですが、ええ、もちろん30過ぎの私が着ます。色も好きだし、ツイードっぽい質感も好き。長年、好みがまーったく変わっていません。。。

ところで、このPeace Fleeceはあんまり加工がされていないため、羊の油ラノリンがたっぷり含まれています。こういうラノリンが含まれている毛糸は汚れがつきにくいため、頻繁に洗う必要がありません。着たあとは風通しのところにおいて、また着ることができます。シーズンが終わって衣替えの整理をするときに、手洗いするくらいでもいいかも。

その手洗いするときですが、専用の洗剤をちょっとだけ入れてぬるま湯につけます。そうすると突然農場にトリップしてしまうような香りが充満!この「農場っぽさ」が苦手な人にはこの毛糸はあまりお勧めできませんが、加工されてないオーガニックな毛糸が好きな人にはとってもお勧めです。

まだ3回くらいしか着ていませんが、毛玉も出来にくそうだし、空気を含んで驚くほど暖かいです。




これはまったくウエストシェイプもない、まっすぐなシルエットなので、長めの丈よりも短めのほうがバランスが取れていいかなと思い、着丈は50センチくらいにしました。ゲージも16sts/10cmなので、かなり厚めです。

今回は、とってもシンプルなメリヤス編みのカーディガン。普通は、メリヤス編みしかないのはすぐ飽きてしまうのだけど、縄編みなんかしたらぶくぶく膨れたセーターになってしまいそうなことと、毛糸自体にとっても惚れ込んでしまったこともあり、ただひたすらシンプルなメリヤス編みを楽しむことを目的に、作ってみました。結果、とっても気に入っています。糸自体が持つ良さがよく出ていると思います。

今回工夫したのは、袖の肩とつなげる部分はbind off(伏せ止め)せずに、余り糸にlive stitchesを休めておいてから、ボディの部分とつなげました。どうしてもbind offしてしまうと、その部分の生地が厚くなってしまい、肩の繋ぎ目のとこが盛り上がってまるで肩パット(!)をしているようになってしまうのです。

結果、肩なじみが良くなったので、この方法を選んでよかったです。No more 肩パット!


ボタンなしのカーディガンは、なんだか間が抜けているのですが、ボタンが付いた途端しゃっきっとする気がします。毛糸や編地だけでなく、ボタンでいろいろ雰囲気が変えられるカーディガンはとっても楽しいです。

Thursday, March 15, 2012

スザンナ・ハンソンさんにBohus Knittingのお話を聞く。

久しぶりの更新です。なんとあっという間にデイライトセービングタイムの時期が来てしまいました。そのため、午後6時半でも薄明るくなっています。春到来です。

そして、目がかゆく、くしゃみが止まらないことでも春だなあと感じます。日本だとマスクが出来るけど、こちらでマスクをしているとかなり不信な目で見られ、罪人のように見られるせいでマスクが出来ません。なので、花粉が身体に入りたい放題。マスクもゴーグルもし放題の日本がうらやましいです。


さて、先週Seattle Knitter's Guildの集まりに行ってきました。これはシアトルに住む編み物人の集まりで、毎月一度会合があり、ゲストスピーカーが招待されます。

そのゲストスピーカーも毎回かなり豪華で、「あ、あの本の著者の人ね!」とすぐに分かる人が多かったりするのです。シアトル、編み物サポートすごいです。


先日のゲストスピーカーはスザンナ・ハンソン(Susanna Hansson)さんでした。彼女は日本で行われた北欧ニットシンポジウムにも招待された、ボーヒュースニッティング(Bohus Knitting)で有名なデザイナーさんです。彼女はスウェーデンで育ち、1980年代後半からシアトルに住んでいてSeattle Knitter's Guild設立にも携わった方です。

ちなみに彼女のサイトはこちら

彼女のことは、サンフランシスコで講義を受けたヴィヴィアン・ホクスブロさんから聞いていました。「スザンナはね、とってもいい友達なの。すばらしいニッターよ!特にボーヒュースニッティングは芸術的ね。」

今回の講義には恐らく100人くらいの人が来てたと思います。近くの教会で開かれたのですが、ニッターの多さにびっくり。そしてみんな講義を聞きながらひたすら何かを編み続けていました。

スザンナさんのお話はこのボーヒュースニッティングの伝統、歴史、パターンの特徴などとっても面白いものでした。このボーヒュース編みは1939年から1969年までスウェーデンで盛んに使われていた編みかたで、一見フェアアイル?と思いがちなのですが、いくつかはっきりとした違いがあります。

  • それぞれのモチーフが縦列にシンメトリーに並んでいないこと。
フェアアイルをよく見てみると一つ一つのモチーフが縦にきれいに、ずれることがなく並んでいるのに対し、ボーヒュースはモチーフがずれて並んでいます。これは、何でも好きなデザインを自由に入れるということが、シンメトリーにデザインするということよりも大切にされたかららしいです。

  • 一列に対し2色以上の色を使っていること。
フェアアイルの原則は一列に対し、2色までが限度とされていますが、ボーヒュースはそんなこと関係なし。ファッション性が重視されているので、見た目がよければ一列に何色も混ぜるそうです。

  • 糸は5目以上でも裏に渡してもいい。
フェアアイルは使わない糸を裏に渡す場合、5目までとされています。でもボーヒュースはそんな原則ありません。
  • 表目と裏目を合わせたデザイン。
編みこみのセーターを思い浮かべると表目だけで編まれたものが多いですよね。でもボーヒュースは裏目もあわせているので、独特のテクスチャーがでてきます。
  • 伝統的なボーヒュースは毛足の長いアンゴラ入りの毛糸を使う。
  • スティークはなし。
オートクチュールを求めるので、フェアアイルのようにまっすぐ表だけを見て編んでから、切り込みを入れるという方法は使わなかった。



スザンナさんが強調していたのは、他の北欧の編み物は寒い地域に住む家族を暖めるために編むことから始まったけれど、このボーヒュースはファッション性が重要で、顧客はイングリッド・バーグマンやグレース・ケリーなどの女優の人たちなどかなりの高級品として編まれていました。

スザンナさん、いくつかの彼女のコレクションであるボーヒュースのセーターを持ってきてくれたのですが、一見見たらまさに既製品としか思えないほどで、普通はみんな機械編み?と思うらしいです。

その精巧さに、一着何十万もするのもうなづけます。



ところで、この集まりに行った際、最近編みあがったアラン模様のベストを着ていったのですがお褒めの言葉をいくつかいただき、帰りはかなりご機嫌でした。


使った毛糸は、前に紹介したBlack Water Abbey Yarnのアイルランド製の毛糸です。ざらっとした手触りで、さすがアイルランド製だけありアラン模様がとってもよく映えてるような気がします。


後ろのネックの部分は、前のボタンバンド部分の延長で、引き返し編みをしながらカーブをつけて、後ろの中心でくっつけました。編み図はこちら。ウエストシェイピングもまったくないのですが、身体のサイズに合うように編んだので、ぶかぶかすることもなく、着心地がとってもいいです。

今回学んだのは、縄編みをケーブル針を使わずに編むこと。これが出来ることで、ものすごくスピードアップしました。いちいち手を止めて、縄編み専用針を手に取って編むって結構時間がかかるんですよね。YOUTUBE先生、さまさまです。

Ravelryにもこちらにアップしてます。結局3玉を使い切ることなく出来てしまったので、余り糸で帽子ぐらい作れるかもしれません。

最後の写真は、ついに始めての靴下です!


今まで何度か編んだ靴下ですが、いつも一足で、つまりソックスではなくソックで終わってしまっていたのです。典型的なSecond Sock Syndrome(一つ目の靴下を編んで燃え尽きてしまうこと)から抜け出せずにいました。

しかし今回はそのシンドロームを突破!3日でペアが完成しました。

早速履いてみて、その履き心地のよさとクッション性にびっくり。既製品の靴下は化学繊維が多い場合がほとんどだと思いますが、手編みだとウールの量が多いこともありあったかい!


なるほど、だからみんな靴下編みにはまるのねと、やっと謎がとけました。もうセカンドソックス怖くないぞ。

Friday, March 2, 2012

ブックレビュー:200 Fair Isle Motifs

ティーコゼは何度か編みましたが、自分用のものがなかったので余り糸で作ってみました。


この三つ葉の柄をどうしても試してみたかったのです。最近買った本200 Fair Isle Motifs: A Knitter's Directoryに載っていたものでずっと気になっていました。


この本は200種類ものフェアアイルのモチーフが載っています。

すばらしいのはすべてカラー写真だということ。そしてそれぞれのモチーフがグラフだけではなくて、実際に編んだ状態でも掲載されているので、イメージが湧きやすいのです。


フェアアイルの好きなモチーフをセーターや帽子などに編みこむ際に、考えなければならないのが、段数(Row)と目数(Stitch)。この本はその段数ごとに整理されているので、自分の探しているサイズのモチーフが見つけやすくなっています。

一つのモチーフにつき、グラフだけではなく、違う色合いでの提案もされているので悩めるフェアアイルの色あわせには助かるかも。

ただ、これはあくまでもモチーフ本なので、セーターやベストの編み図やフェアアイルの歴史について知りたい方は、アリス・スタモアさんが書いたバイブル本、Alice Starmore's Book of Fair Isle Knitting (Dover Knitting, Crochet, Tatting, Lace)がいいと思います。この本は図鑑のようで、読み物としても面白いです。

私はモチーフと色に刺激を受けて編むことが多いので、Mary Jane Mucklestoneさんの200 Fair Isle Motifs: A Knitter's Directoryの方を選びました。リストウォーマーにちょっと模様を入れたり、帽子にちょっと編みこみをしてみたい人には、この本でいろんなモチーフが見つけられると思いますよー。


それにしてもシアトルのPublic Libraryシステムには本当に助けられています。編み物本もクラフト本も豊富で、近くのブランチになくても、数日で他のブランチから取り寄せてくれます。希望を出しておけば、購入してくれることも!!

アメリカの本は写真がきれいで見ごたえがあるものが多いぶん、一冊20ドルから30ドル以上は普通だったりします。なので多くの人は、気になる本があるとまず図書館で借りて、それでも気に入ったら購入するということが多いみたい。

私も例にもれず、そうやって吟味しながら本を選んでます。

そうそう、最近加入したSeattle Knitter's Guildという編み物のローカルコミュニティには独自の貸し本システムがあって、ここでも編み物本が借りれるそうです。まだ利用していないけれど、結構なセレクションがあるみたい。


シアトルは編み物をはじめ、手作りへのサポートが手厚いのかも。来週はKnitters guildの集まりがあるので、またそのことについては次回お話ししますね。

Tuesday, February 28, 2012

冷戦下に作られた毛糸Peace Fleece

今日は先日買ったPeace Fleece Worstedについてお話したいと思います。

Peace Fleeceという会社のことはKnitting for Peace: Make the World a Better Place One Stitch at a Timeという本を読んでからずっと気になっていました。



このPeace Fleeceという会社は1985年に、Peter Hagertyさんと奥さんのMarty Tracyさんが冷戦下にあったソビエトから羊毛を買ったことから始まります。

冷戦の緊張を日々感じる中で、PeterさんとMartyさんはソビエトで作られた羊毛を買い、アメリカの羊毛と混ぜた毛糸Peace Fleeceを作ろうとしたのです。

ベトナム戦争を経験したPeterさんは、戦争の中でもたくさん人たちが家族を思い、日々の暮らしを営んでいることを実感し、小さいながらもこうした個人の貿易で、ソビエト冷戦の緊張が緩むきっかけになればと願ったそうです。


ピースフリースの話を読むと、
ますますこの毛糸がいとおしくなります。

もちろん、冷戦下のため貿易は困難、さまざまな紆余曲折はあるものの現在に至るまでこの会社はロシアだけではなく、東ヨーロッパ、中東諸国などから羊毛を買い、経済的や政治的な理由で生活が困難な現地の人たちへ雇用の機会を与えるだけでなく、羊毛というツールを使ってそれぞれの国に住む羊毛農場の人たちや職人たちの交流を進めてきています。

国際教育を学び、その後手作りに没頭している私としては、このPeace Fleeceの国際交流促進のヴィジョンにはとても共感するところがあり、これからもずっと見守っていきたいと思っています。

このPeterさんのお話はとても素敵なインスピレーションあふれるストーリーなので、是非Peace Fleeceのホームページをのぞいてみてください。ここの毛糸は直接Peace Fleeceからも購入できますよ。

ちなみにこの毛糸のラベルにはWarm Wool From A Cold War (冷戦下からの暖かい毛糸)と書いてあります。この会社のヴィジョンがしっかり表れてますね。



毛糸の色合いもどれもとっても素敵で、単色の中にも少しずつ違う色が混ざっていて、深みがあります。私の買ったGeorgia Roseはローズピンク色ですが、よく見るとオレンジと白いつぶつぶっぽい色も入ってるのです。ゲージは4sts/ インチなので、Worsted weightよりもAran weightといったほうがいいかもしれません。

手触りはモヘアが入ってるけれど、肌に直接あたるものよりも、セーターやベスト、帽子向きかもしれません。テスト用の編地を手洗いしてみたところ、毛糸が膨らんでやわらかくなりました。色落ちもまったくありませんでした。他のレビューによると、ピリングも少なく、耐久性も良いそうです。


このPeace Fleeceには毛糸以外にも、パターンや編み針、ボタンも売っています。現地の職人さんが手描きをしたボタンは素朴でとってもかわいいです。この素朴な毛糸でカーディガンを編んだら、是非このボタンをつかってみたい!

アメリカにもいい毛糸がたくさんありますね。これからもいろいろ発見していきたいと思います。